この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
The one …ただ一人の…
第16章 男のプライドと…
約束の日、渉は真っ赤なオープンカーに乗って、颯爽と現れた。
運転席と助手席しかないスポーツカー。仕方なく、曄良は、助手席に座った。
「では、曄良さんをお借りします。」
渉はマスターに挨拶し、出掛けて行った。


昼近く、珍しい客が来た。

『なんだよ。珍しいな。偵察か?』
「マスター。からかわないで下さいよ。」

その客は日向だった。
「サンドイッチとコーヒーで。」

そう注文すると、ソワソワ2階への入口に目をやった。

『曄良ならいないぞ。』
「えっ。今日、仕事でしたっけ?」
『渉と出掛けた。』

ガチャン
「熱っ!」
日向は、カップを落としそうになる。

『単なる観光案内、だそうだ。』
「かつ…観光案内って、相手は、」
『まっ、デートのつもりだろうな。真っ赤なオープンカーでお迎えに来たぜ。』

日向は頭を抱えた。
オレの馬鹿っ!何で、意地を張った。
曄良がアイツの餌食になったら………。

『反省したか?クソ坊主。』
「ずっと、後悔の嵐ですよ…くだらないプライドと嫉妬……」
『わかってるならいい。』

日向は頭を掻きむしった。
ふと、思い出して、

「そういえば、マスター、何でこの前、アイツが来たのを、あんなに慌ててたんですか?」

それ、聞くんだ……。
とマスターは眉を寄せた。

そして、渉がアメリカにたってから月一で来ていた渉からの手紙を全て捨ててしまっていた事を話した。

「マスター……それ酷い…」
『ああ、俺もくだらない嫉妬と身勝手な妹への愛だな。』

いつ帰ってくるかわからない渉を待ち続けるよりも、新しい恋でも探したほうが……なんて思ってた。
返事も来なければ、渉もそのうち忘れるだろうと。

『予想に反して、ずっと手紙、送られて来てたけどね。だから、今になって反省した。アイツの本気を感じたから。でも、まさか本当に迎えに来るなんて…な…』

「迎えに来た……んだ?」

『アメリカに連れて行くつもりだぞ。渉は。』

日向は、暫く黙って、目の前に置かれたサンドイッチを眺めていた。

「マスターが、手紙捨てたなかったら。オレ、アイツに勝ててたのかな…」

今だって、渉の方が大人で…アイツはきっとくだらない嫉妬で、曄良を困らせたりしないんだろうな……。

『随分と弱気だな。珍しい…』
マスターは、日向にデコピンをした。
「痛いっ…。なんなんですか?」
/303ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ