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The one …ただ一人の…
第16章 男のプライドと…
『行くなって言って欲しかったのに。』

「えっ?」
『そうお前に言って欲しかったって……曄良、そう言ってたぞ。』

日向が顔を上げた。

「曄良が……?」

『もう少し自信を持て。お前は曄良に愛されてる。』

言って、マスターは顔が少し赤くなった。

「マスター、ありがとう。」
日向は、目の前のサンドイッチとコーヒーを平らげると、立ち上がった。

『迎えに行くのか?』

「あっ、行きたい所ですが、今日はアイツの15年送り続けた手紙に免じて見逃してやりますよ。」

おっ、大人だねぇ〜。

「それに、曄良がアイツに万が一心変わりする様な事があっても……」

日向は、マスターを見て言った。

「全力で奪い返します!」

ニヤッと笑うと、日向は店を後にした。
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