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The one …ただ一人の…
第16章 男のプライドと…
曄良は、お台場に来ていた。
渉が見たいと言った巨大ガンダムやちっちゃい自由の女神を見学して、二人で歩いていた。
『曄良…手…繋いでもいい?』
「えっ、う、うん。」
やった!と言いながら、渉は曄良の手を取る。
この後、スカイツリーに行きたいと言った渉に、曄良は少し戸惑っていた。
あそこは、日向と初めてデートして、あちこちに日向との思い出があるからだ。
でも、東京案内なんだから……そう言い聞かせた。
渉はアメリカで、証券会社に勤めていると言っていた。
「なんか、難しそうだね。株とか売ったり買ったりするんだよね?」
『ん、駆け引きがね、難しいといえば難しいかな。でも、ま、俺は結構好きなんだけどね。今の仕事。』
曄良は、優しく笑う。
『曄良は、ブライダルだろ?』
「うん。幸せな式のお手伝いがしたくて。でも、思ったより結構、修羅場も多くて…お互い歩み寄る第一関門的な感じだね。結婚式って。」
『そうなんだ。僕は新婦の好みを優先しちゃうだろうなぁ。』
「2人だけで、色々決めて、双方の親が入って来て、全部変更になっちゃったり。新郎新婦が、ケンカしたり…」
ふと、安西の事が頭をよぎる。日向が助けに来てくれた、あの出来事。一瞬泣きそうになる。
「でも、式が滞りなく終わって、新郎新婦から、ありがとうって声かけてもらうと、ああ、良かったなって。だから、続けていられるんだと思う。」
そんな、たわいもない話をしながら、次の目的地に向かった。
山下は、呆れていた。
さっきから、パソコンとにらめっこしている日向を見つめて言った。
「いつ迄、曄良さんのGPSチエックするつもりですか?」
『デートが終わるまで。』
「副社長っ!」
『わかってる。だから仕事もしてるだろ。』
「仕事が疎かになってますが。」
『あっ、移動してる、GPSが…』
山下は溜息を吐いた。
いっそ尾行でもしたら如何ですか?そんなに心配なら…
『えっ、ああでも、なんかそれは、大人のスマートな対応とは、違う様な。』
何が大人の対応ですか。
GPSで、チエックする方がよっぽど子供ですよ。
次の瞬間、日向が大声を出した。
『あーっ、オレたちの思い出のスカイツリーに…』
どうやら、曄良のGPSがスカイツリーに到達したらしい。
山下は、もう一度、深い溜息をつき
「下で、コーヒー買ってきます。」
と部屋を出た。
渉が見たいと言った巨大ガンダムやちっちゃい自由の女神を見学して、二人で歩いていた。
『曄良…手…繋いでもいい?』
「えっ、う、うん。」
やった!と言いながら、渉は曄良の手を取る。
この後、スカイツリーに行きたいと言った渉に、曄良は少し戸惑っていた。
あそこは、日向と初めてデートして、あちこちに日向との思い出があるからだ。
でも、東京案内なんだから……そう言い聞かせた。
渉はアメリカで、証券会社に勤めていると言っていた。
「なんか、難しそうだね。株とか売ったり買ったりするんだよね?」
『ん、駆け引きがね、難しいといえば難しいかな。でも、ま、俺は結構好きなんだけどね。今の仕事。』
曄良は、優しく笑う。
『曄良は、ブライダルだろ?』
「うん。幸せな式のお手伝いがしたくて。でも、思ったより結構、修羅場も多くて…お互い歩み寄る第一関門的な感じだね。結婚式って。」
『そうなんだ。僕は新婦の好みを優先しちゃうだろうなぁ。』
「2人だけで、色々決めて、双方の親が入って来て、全部変更になっちゃったり。新郎新婦が、ケンカしたり…」
ふと、安西の事が頭をよぎる。日向が助けに来てくれた、あの出来事。一瞬泣きそうになる。
「でも、式が滞りなく終わって、新郎新婦から、ありがとうって声かけてもらうと、ああ、良かったなって。だから、続けていられるんだと思う。」
そんな、たわいもない話をしながら、次の目的地に向かった。
山下は、呆れていた。
さっきから、パソコンとにらめっこしている日向を見つめて言った。
「いつ迄、曄良さんのGPSチエックするつもりですか?」
『デートが終わるまで。』
「副社長っ!」
『わかってる。だから仕事もしてるだろ。』
「仕事が疎かになってますが。」
『あっ、移動してる、GPSが…』
山下は溜息を吐いた。
いっそ尾行でもしたら如何ですか?そんなに心配なら…
『えっ、ああでも、なんかそれは、大人のスマートな対応とは、違う様な。』
何が大人の対応ですか。
GPSで、チエックする方がよっぽど子供ですよ。
次の瞬間、日向が大声を出した。
『あーっ、オレたちの思い出のスカイツリーに…』
どうやら、曄良のGPSがスカイツリーに到達したらしい。
山下は、もう一度、深い溜息をつき
「下で、コーヒー買ってきます。」
と部屋を出た。