この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
The one …ただ一人の…
第3章 戸惑い
曄良は定時に上がり、下北沢の駅を降りて、通りを歩いていると、後ろから声を掛けられた。

「あのー早瀬さんですか?」

そう言われ振り返ると、女の子達が曄良を取り囲んだ。

『あの、何か御用ですか?』

曄良は、なんだか嫌な予感がしていた。
女子の集団の真ん中にいる子。
黒髪が艶艶した、日本人形みたいな雰囲気があった。
その子が開口一番言い放った。

「私の日向くんに手を出さないで!」

あーやっぱり。そんな感じだと思った。
曄良は、この集団は日向の同級生だと確信した。
『日向くんの彼女?』
曄良は、聞いた。
女子大生はそうじゃないけど……と言葉に詰まる。
その様子を見て、曄良は何となく悟った。
『好きなんだね。彼の事。』
曄良は微笑んで、彼女に言った。
「そうよ!なんなの?余裕な顔しないで!」
『あっ、そう言うつもりじゃ…ごめんなさい。』
こういう女子の集団苦手。
曄良はそう思った。
女子大生は続けて言う。
「あなたがいるから、私が告白しても、ちっとも振り向いてくれないのよ!」
それは…私の所為?なのかな?
キョトンとした顔をしていると、続けて言われる。
「あなたみたいなおばさん、日向くんには似合わないんだからっ!」
そうよ!おばさん!
女子大生達は口々に言う。でも、棒読みな感じで、言わされてる感満載だった。
曄良はため息をついた。
知ってるけど、傷つくのよね。そういうの。
と思っていると、真ん中に居た女子がカッターを取り出した。
『ちょ、ちょっと、危ないから。』
曄良はその子に忠告する。
「顔に傷付けるだけよ。日向くんが嫌いになる様に。」
はぁー。曄良はため息を吐く。
顔に傷って…立派な犯罪なんだけど。
曄良はゆっくり周りにいる女子大生の取り巻きを見た。
みんな顔が引きつってる。周りの子はカッターで切り付けようとしてるこの子に躊躇してる感じ。
この真ん中の子だけね。殺意剥き出しなのは。
何とか阻止しないと。仮にも日向の同級生、犯罪者にする訳にはいかない。曄良はそう思った。

威嚇の為に、カッターを持った女子の目の前に足蹴をして、顔面スレスレで止めた。
曄良はビックリしてカッターを落としてくれるのを狙ってた。
次の瞬間、曄良の思惑とは違い、ビックリした女子は、カッターを振り回した。
/303ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ