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The one …ただ一人の…
第16章 男のプライドと…
曄良は料亭の個室に通され、何となく、気乗りしなかった。
「渉くん。ここ」
不安そうに渉に声を掛ける。
『一度来てみたくてさ、さっき電話で予約いれたんだ。』
あっ、大丈夫だよ。隣に布団なんてないから。
渉が悪戯っぽく笑っている。

「もう、からかわないで。」
『ごめん。ごめん。』

どうぞ、こちらへ。
と中居さんに案内された部屋には、既に料理が並べられていた。

『せっかくだから、いっぱい食べようよ。ね!』
「うん。」
料理に舌鼓をうちながら、2人は昔話に花を咲かせた。

『今日は、ありがとう。』
「こちらこそ、なんか結局ご馳走になっちゃって…」
『案内料だよ。なんてね。』
ニッコリ笑う。

沈黙が少し続き、曄良が口を開いた。
「そろそろ、帰らないと。」
『帰したくないって、言ったら…』
渉は、テーブルに置かれた曄良の手に自分の手を重ねる。
「ダメだよ。そんなの。」
『なんで。婚約してるから?』
曄良は、コクリと頷く。
『婚約は、破棄出来るよね。』
そう言って、曄良の左手に、ある婚約指輪を指で弾く。
『結婚は、離婚出来るんだよ。』

曄良は首を振った。
「ダメなの。」
『なんで?』
「渉くんには、本当に悪いと思ってる。お兄ちゃんの所為で、ずっと辛い思いさせて。」

『だったら』

「出逢っちゃったから。」
渉の言葉を遮って、曄良は言った。

「日向に、出逢ったから。」

渉が握っていた手に力を込めた。

「たとえ、渉くんの手紙が届いていたとしても、日向に出逢ったら、日向を好きになった。」

渉が目を見開いた。
『なっ。』

「理由なんてないの。多分それが、運命なんだと思う。」
渉は曄良の手を掴むと、隣の部屋の扉を開けた。
用意された布団に、曄良は目を見張った。
渉は曄良を無理矢理、押し倒すと、曄良の上に馬乗りになった。

「渉くん!やめてっ!」
ネクタイを外して、渉を叩こうとする曄良の手を拘束する。
渉は曄良の耳元で囁く。

『なら、無理矢理、俺のモノにするよ。』
曄良の唇を奪う。曄良の唇に渉の舌を差し入れ、舌を絡めた。逃げ惑う曄良の舌にイライラして強引に舌を絡めた、さらに奥に舌を動かし味わっていく。
着ていたセーターを捲り上げ、ブラの上から胸を触る。激しく揉み上げる。
『くっ……感じろよ…曄良っ…』
「イヤっ…ムリ……」
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