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The one …ただ一人の…
第16章 男のプライドと…
曄良の両腕を掴むと、唇を奪った。
曄良はただ、抵抗もせず泣いて渉を受け入れる。
抜け殻の様になってしまった曄良の唇を割り、舌を絡める。
『僕が忘れさせてあげるから……』
そう言うと、さらに曄良の唇を吸い上げた。


『………ら……』
風の音に混ざって、声が聞こえる。
『あきらっ!何処だっ!』
日向?日向の声だ。
曄良は、ビクっと身体が動く。
渉は力を入れて抑え付けた。
「……やっ…」
渉は、曄良の声が出せないように、唇を塞ぐ。
「……んっん…ん」


『曄良っ!』
岩場に抑え付けられている、曄良を発見する。
『お前っ、良くも曄良を!』
渉の胸ぐらを掴み上げる。そのまま地面に投げつける。
『曄良っ、大丈夫か?』
「日向っ!」
曄良は日向の胸に飛び込んだ。
温もりが、曄良の温もりが身体に伝わる。震えていた。
『ごめん。遅くなって。』
「どうし…て……」
『んっ?』
「どうして…来てくれたの……」
『なんで、そんなの当たり前だろ。』
「嫌いに……なった……のかと…」
「だから…あの……女の人と…」
『曄良を嫌いになんてならないよ。』
曄良を抱きしめると、髪に顔を埋める。
『それにあの女のことは、そいつに聞いた方が良さそうだ。』
えっ?と言う曄良を肩に抱いたまま。
日向は渉に言った。
『あの女、全部吐いたぞ…』
渉は一瞬目を見開き、すぐにフッと笑った。

「高い口止め料払ったのになっ…」
渉はゆっくり立ち上がると、曄良に言った。

「あの女は、俺が仕掛けた。曄良を俺のモノにしたくて。でも、駄目だった。」

曄良は震えていた。涙が頬を伝った。

「かえって、曄良を傷つけた。すまない。」

渉は唇を噛み締めた。涙を我慢するように上を向いた。

「お前達は最強の絆で結ばれてるよ……俺の敗けだ…」

渉は、軽く手を上げて、自分の車に歩いて行った。

その後ろ姿を見送りながら……
曄良は泣きながら、日向の胸に顔を埋める。肩を震わせて泣いていた。

日向は無言で、曄良を強く抱きしめた。
『曄良。嫌な想いさせてごめん。』
「私も……ごめんなさい…」
2人は手を握って、そっとキスをした。
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