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The one …ただ一人の…
第16章 男のプライドと…
山下は運転しながら、日向に言った。
「アイツ…どうしますか?」
『そうだな…曄良は……どうして欲しい?』
曄良は日向を見つめる。
『…わかったよ。何もしない…』
曄良は、頷いた。日向に肩を預ける。
たぶん、渉も傷ついた。私が傷つけた。渉の真っ直ぐの愛を、受け入れてあげられなかったから…。

山下は、そんな2人を見つめ、微笑んだ。


その出来事から暫くして。
デートから帰って来た2人が、「ライル」に入ると、マスターが曄良を呼んだ。

「どうしたの?お兄ちゃん。」
『さっき、渉が来た。』

日向の顔色が変わった。曄良の肩を強く抱く。

『これを……置いてった。』
小さな箱。開けてみると、小さなスノードームが入っていた……。
『いらなかったら、捨ててくれって。』

あいつは?と日向が聞く。
『今日の6時の飛行機で、アメリカに帰るっていってたな。』

「これっ…」
曄良の瞳がみるみる潤んでいく。


渉と2人で最後に行った夏祭り。
射的の出店で、曄良はどうしても欲しいものがあって、渉に我儘を言った。
渉は、持っていたお小遣いを全て使い、何回も挑戦した。
でも、取れなかった。
渉は涙ぐみながら、曄良に言った。
「ごめんなっ!取れなくて。本当にごめんっ!」
『大丈夫だよ。ごめんね。渉くんお小遣いなくなっちゃったよね。』
「いつか、また、お祭り行ったら…今度は絶対に取ってやるからっ!」

その景品がスノードームだった。

曄良はスノードームを手にすると、涙ぐみながら、その話をした。

日向が曄良の手を掴んだ。
『タクシー飛ばせばまだ間に合う。行こう!』

「日向?」

『アイツに、お礼言いたいんだろ』

曄良は、頬に伝う涙を拭った。
「日向、最近私の心読むの上手いよね。」
そう言った曄良の手を引いて、日向は店を出た。
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