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The one …ただ一人の…
第16章 男のプライドと…
渉は荷物を持った。
そして、日向に向かって、手を出した。

「色々と悪かったな。最後に曄良と会わせてくれて、ありがとう。」
『別に、礼を言われるほどの事はしてない。』
と言って、握手に応じる。

「じゃ、そろそろ行くわ!」
『渉くん、気をつけてね。』
「あっ、そうそう。」
そう言って、曄良の耳元で囁く様に言った。
もちろん日向にも聞こえる様に…

「曄良の喘ぎ声、可愛かった。いい思い出にするよ。」

チュと頬にキスすると、渉は去って行った。

曄良は顔が真っ赤だった。
『えっ、お前達、まさか?』
「詳しくは曄良に聞いてくれっ!」
渉くん、意地悪だ……。

『シタのか?』
「シテないよっ。」
『じゃ、なんで??』
「あの。されそうになって、その…少し…声が…ごめんなさい……。」

日向の顔色がみるみる変わった。

曄良の腕を掴むと、空港内のホテルのカウンターに連れて行かれる。

「ちょ、日向?」
『なんだよ?じゃ、今すぐここで抱かれたいのか?』

ホテルのカウンターの人がギョッとしている。
『ダブルで、一部屋!』
従業員は、慌ててカギを用意して日向に渡す。

日向は、カギを手に、曄良を引きずる様にホテルの部屋に連れ込んだ。

ベットに押し倒す。
『どこまでされた!』
「…怖いよ……」
『なんで?拒めよ!』
「無理矢理……されたから……ネクタイで…拘束されて……」
『でも、感じたんだ。』
「…………もう……やだ。」

曄良は泣き出した。肩を震わせて泣いた。

日向は、ハッとして、唇を噛み締めた。

曄良をそっと抱き起こした。

そして、優しく抱きしめた。

『ごめん……嫉妬だ…ごめん。』

「渉くんに、言ったの……無理矢理して…身体は渉くんのモノになっても、心は……あなたのモノにならないって……」
『曄良…』
「心は、日向のモノなの。」
『悪かった。』
曄良の頭を引き寄せ、唇を重ねる。

「ドクターストップは…」
『知らない。もう大丈夫だろ。』
唇を重ね、曄良の口内に舌を入れ、曄良の舌を追いかける。絡めて、絡めて、味わい尽くす。

「んっ…あっ……んんんっ…」
曄良の吐息が漏れていく。

首筋に舌を這わせ、舐め回す。薄手のセーターを捲り上げ、背中に手を回し、ホックを外して、ブラに手を掛ける。
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