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The one …ただ一人の…
第17章 山下の気持ち
「あっ、電話、切っちゃって大丈夫なんですか?」
『問題ありませんよ。少し懲りた方が良いんです。』

曄良の肩を抱いたまま。車まで行くと、山下が言った。

『助手席にしますか?』
曄良を誘ってみる。
「後ろに…乗ります……」
『それは、残念……』
山下は、ガッカリした表情をしたが、すぐに笑顔で後部座席のドアを開けた。

曄良は、昨日の寝不足と検査疲れで、ウトウトしている。そして、車の揺れで、気持ちよくなり、ゆっくりと眠りに落ちた。

ん…ぁ…寝ちゃった?
ガバッと起きて、状況が飲み込めない。だって…車の後部座席だったはず……なのに。
「なんで、ベッドの上にいるの?」
えっ…?慌ててシーツの下を確認する。あ、良かった。ちゃんと着てる!
少しホッとすると、辺りを見回した。ここ、何処?
ガチャと扉が開く音がして、山下が姿を現した。
『あっ、目、覚めました?』
「あの…ここは?」
『あっ、私の部屋です。ごめんなさい。連れ込んじゃいました。』
「連れ込ん…」
曄良は顔色を変える。
あ、嘘です。ごめんなさい。何もしませんよ。
『すみません。気持ちよさそうに眠っていたので、ゆっくり休んで貰いたくて、ここに運んでしまいました。』
少し買い物してくるので、もう少しゆっくり休んで下さい。シャワーでも浴びて、これ、良かったら着替えてくださいね。
と言って、山下は再び部屋を出て行った。
山下が用意してくれた着替えは大きめのトレーナー。洗濯のいい香りがしている。同じ香りのバスタオルも用意してくれている。
そっと部屋を出ると、きちんと整頓された、大人の男性の部屋が広がる。
「山下さんぽいっ…」
シャワールームを借りると、トレーナーに着替え、バスタオルで、髪を拭きながらベランダへ出る。
春の暖かな風が爽やかに頬に触れていく。
「気持ちいい。」

『風邪、引きますよ。』
不意に声を掛けられ、曄良は振り返る。
「おかえりなさい。」
山下は目を丸くして、優しく笑った。
『ただいま。』
ああ。この感じ…幸せだ。山下はそう思った。
曄良の後ろに立つと、そっと肩を抱いた。
「山下さん?」
『このまま…少しだけ。』
曄良は、突っぱねられない自分に腹が立った。私の嫌な部分。
山下は、曄良の瞳が潤んでいるのがわかった。
『すみません。ちょっと度が過ぎましたね。』
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