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The one …ただ一人の…
第17章 山下の気持ち
そう言って、曄良から離れ、曄良の手を取り、中へ入るよう促した。
「私、山下さんに、残酷な事をしてますよね…ごめんなさい。」
『曄良さん?』
「私が、ズルズル許すから、ダメなんです。」
山下は察した。

曄良は、自分を振ろうとしている。
二度と、触れられない、遠い所へ行こうとしている。
ダメだ。私はそれを望んでいない。

『曄良さん。今、私を振ろうとしてますよね?』

曄良は山下の顔を見た。
なんで、わかるの?だって、そうしないと…

『振ってやらないと、次の恋に進めないとか思ってますよね。』

バレてる…
『私は、それを望んでいません。』
曄良は目を見開いた。

『あなたが。日向さんを選ぶのはわかってます。それで良いんです。私は、待っていれば、いつか貴女が手に入るとは思ってませんので。』

でも、それじゃ…
「山下さんは辛くないんですか?」
『うーん。要所要所で、曄良さんが可愛い過ぎるから、抱きたいとか、キスしたいとか、このまま押し倒したいとか、思いますよ。私も一応男なので。』

曄良は真っ赤になった。

『たぶん、私が力尽くで、奪えば、貴女は拒めない。曄良さんは優しいから。拒まない。』

でも、無理強いはしませんよ。
と笑顔で曄良を見つめる。

『優しい貴女は、私を受け入れた後、きっと苦しむから。だから何もしません。』
曄良は瞳を潤ませて、山下を見つめた。

『ただ、振られてしまえば、二度と貴女に触れられない。側にいられない。それは私にとって拷問です。』

山下の告白に、曄良の頬に涙が伝う。

『貴女から離れて新たな恋に進む事と、このまま一生独身で、私のモノにならない貴女の側にいる事のどちらを選ぶと言われたら、私は迷わず後者を選びます。』

なんで。なんでそこまで……。
『それほどまでに、私は貴女に惚れている。そういう事です。なので、変な気を回して振らないで下さい。』

山下は真剣な表情をしている。
「山下さん……」
『たまに、こうして日向さんから引き離して、キュと抱きしめたり、ちょっかい出したり』

そういって、曄良を抱き寄せる。
『早朝に日向さんへ電話した時の、必死に我慢している貴女の声を聴けるだけで。』
曄良は耳まで真っ赤になった。
『それだけで、満足なんです。』
それとも、こんな事も、迷惑ですか?
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