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The one …ただ一人の…
第18章 音信不通
ちょっと、来いよ。
曄良の腕を掴んで、立たせると、所長に言った。
『こいつ、借りて行きます。』
「どうぞ。使い物になるようにして頂けると助かるわ。」
『了解です。』
日向は敬礼してみせる。
スタッフから笑い声が湧き起こる。
曄良は日向に連れられ、レストランに入った。
『お前、ちゃんと食ってたか?』
「えっ、たぶん?」
『なんで疑問形なんだよ。』
日向が優しく笑う。
曄良は、日向の笑顔が、心に染みて、瞳が潤んでいく。
日向が、曄良の頭をクシャとした。
曄良の瞳から涙が溢れた。
『山下の事だろ。悩んでたの。』
曄良は、顔がクシャっとなって、本格的に泣きだした。
日向は、向かい合って座っていた席を移動すると、曄良の隣に座り、頭を引き寄せた。
「な…んで…知って…るの?」
『山下から聞いた。たぶん曄良が聞くずっと前だよ。』
「えっ?…そうなの?」
『山下の気持ちに気が付いて、問い詰めた。あっさり言われた。お前が好きだって。』
「日向は…平気?」
『ん、ああ。アイツが全力でお前を奪おうとしていたら、きっとヤキモチ妬いたんだろうけど。』
「ただ、側にいたいって…」
『ああ。』
「一生独身で構わないからって。」
『うん。』
「ねぇ…日向。山下さんはそれで幸せなの?」
そう言うと、日向の胸に顔を埋める。
日向はそっと曄良の肩を抱きしめた。
『アイツの幸せを決めるのは、アイツなんだよ。』
「……んっ…」
『山下が、オレの秘書になったのは、お前を見守るためだ。オレの秘書でいれば、お前の側にいれる。』
曄良は日向を見上げた。
『お前の側にいれば、お前が幸せになるように動ける。そう言ってた。』
「日向は……大丈夫なの?」
煩わしいと思わないの。
『曄良は、オレと山下だったらどっちを選ぶ。』
曄良は涙を溜めた瞳で日向を見つめる。
「日向だよ!」
日向は、曄良のおでこにチュとキスをする。
『それでいいんだ。オレ。』
『曄良が最後にオレを選んでくれるなら』
そう言って、笑った。
『だから。あまり気にするな。山下の事を気遣うのはわかる。だけど、今お前から遠ざけようとすると、アイツ死んじゃうよ。』
「えっ?」
日向は笑って言った。
『山下も。オレと同じで……
曄良がいないと生きていけない。』
わかった?と日向は私の頭を撫でた。
曄良の腕を掴んで、立たせると、所長に言った。
『こいつ、借りて行きます。』
「どうぞ。使い物になるようにして頂けると助かるわ。」
『了解です。』
日向は敬礼してみせる。
スタッフから笑い声が湧き起こる。
曄良は日向に連れられ、レストランに入った。
『お前、ちゃんと食ってたか?』
「えっ、たぶん?」
『なんで疑問形なんだよ。』
日向が優しく笑う。
曄良は、日向の笑顔が、心に染みて、瞳が潤んでいく。
日向が、曄良の頭をクシャとした。
曄良の瞳から涙が溢れた。
『山下の事だろ。悩んでたの。』
曄良は、顔がクシャっとなって、本格的に泣きだした。
日向は、向かい合って座っていた席を移動すると、曄良の隣に座り、頭を引き寄せた。
「な…んで…知って…るの?」
『山下から聞いた。たぶん曄良が聞くずっと前だよ。』
「えっ?…そうなの?」
『山下の気持ちに気が付いて、問い詰めた。あっさり言われた。お前が好きだって。』
「日向は…平気?」
『ん、ああ。アイツが全力でお前を奪おうとしていたら、きっとヤキモチ妬いたんだろうけど。』
「ただ、側にいたいって…」
『ああ。』
「一生独身で構わないからって。」
『うん。』
「ねぇ…日向。山下さんはそれで幸せなの?」
そう言うと、日向の胸に顔を埋める。
日向はそっと曄良の肩を抱きしめた。
『アイツの幸せを決めるのは、アイツなんだよ。』
「……んっ…」
『山下が、オレの秘書になったのは、お前を見守るためだ。オレの秘書でいれば、お前の側にいれる。』
曄良は日向を見上げた。
『お前の側にいれば、お前が幸せになるように動ける。そう言ってた。』
「日向は……大丈夫なの?」
煩わしいと思わないの。
『曄良は、オレと山下だったらどっちを選ぶ。』
曄良は涙を溜めた瞳で日向を見つめる。
「日向だよ!」
日向は、曄良のおでこにチュとキスをする。
『それでいいんだ。オレ。』
『曄良が最後にオレを選んでくれるなら』
そう言って、笑った。
『だから。あまり気にするな。山下の事を気遣うのはわかる。だけど、今お前から遠ざけようとすると、アイツ死んじゃうよ。』
「えっ?」
日向は笑って言った。
『山下も。オレと同じで……
曄良がいないと生きていけない。』
わかった?と日向は私の頭を撫でた。