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The one …ただ一人の…
第20章 過去
結婚式前夜。
譲はアルバムを見つめていた。
小さい頃の写真。
この頃から妹が可愛くて仕方がなかった。

俺は、少し可笑しいのか?と悩んだ時期もあった。
わざと他の女と付き合った。
そうしてないと、妹に変な感情を持ちそうで怖かった。
結婚もしたが、結局上手くいかなかった。

そして、あの事件。

学校から連絡があって、不安に駆られながら、実家に向かったあの日。
玄関を開けて中へ入ると、異変に気付く。
電気が付かない?なんで?
「曄良?居ないのか?」
真っ暗なリビングのソファに、青白い手脚がクッキリと浮かぶ。
生気のないその手脚にそっと近づく。
「曄良っ!」
以前会った時とは考えられないほど痩せていた。
タンクトップと短パン姿の曄良。
そして目を疑う。
「何なんだ。このキスマーク…」
曄良の身体には、かすかだが、キスマークが無数に付けられていた。
ハッとした。まさか親父……
涙が出た。俺は何をしていたんだ。
母が亡くなってから、様子がおかしかった親父。
母に似てる曄良に何かをしたとしても、可笑しくない。

「ごめん……曄良っ……」

涙が出た。
曄良を毛布に包むと、抱き上げた。
驚くほど軽い。また泣きそうになる。
急いで病院に走った。
「なんでこんなになるまで、何も言わなかった。馬鹿野郎!」

病院に着くと、警察まで入り、大騒ぎとなった。
俺は事情を聞かれた。
曄良は栄養失調だった。
曄良の身体からは親父の唾液が検出された。
最後まではされていなかった。
それがせめてもの救いだった。
無数の点滴の管につながれ、青白い顔で眠っている。
微かに動く胸が生きている事を実感させてくれる。
後1日遅かったら、命に関わる事になっていたと医者に言われ、足がすくんだ。
寝ている曄良の頭を撫でた。
「ごめんな……もっと早く…」
どんなに辛かったろう。実の親父に……
悔やんでも悔やみきれない。

親父の行方はわからなかった。
もう、探したくもなかった。
逆に曄良に近づかない欲しかった。
「俺が守ってやるから。」
そう誓った。
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