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The one …ただ一人の…
第20章 過去
「お兄ちゃん?何してるの?」
曄良は、風呂から上がって、髪を拭きながらやってくる。
『懐かしいアルバムを見てたんだよ。』
アルバム。…懐かしいね。
そう言うと、真面目な顔をして、譲の横に座る。
『なんだよ?』
「お兄ちゃん、あの」
『やめろよ。お世話になりましたとか?』
「でも……」
『いいんだよ。俺は好きでお前の側に居たんだから。それに、これからも関係が変わるわけじゃない。だから、止めてくれ。』
「お兄ちゃん……」
『たまには帰って来い。俺からはそれだけだよ。』
「うん。わかった。」
席を立つ曄良の腕を、思わず掴んだ。曄良を抱きしめる。
「お兄ちゃん?」
曄良の唇に、そっと指を這わす。
『ごめん。ちょっとだけ、兄やめるぞ。』
そう言うと、曄良の唇に重ねてくる。ゆっくりと味わうように。

お兄ちゃん……
曄良は、兄の複雑な気持ちを知っていた。
面と向かって言われる事はなかった。
でも、気持ちは痛いほど伝わっていた。
でも、譲と曄良は紛れもなく兄妹で、その一線を超える事はなかった。

曄良は、譲の頬に流れる涙にそっと手で触れる。
その手を譲の手に包まれる。
『幸せになれよ。曄良……』
そう言って、もう一度唇を重ねた。
優しく抱きしめると、曄良を解放した。
『さっ、明日早いんだろう?早く寝ろ!』
「もう……バカ。」
『なんだよ。馬鹿言うな。』
「お兄ちゃん、お休み。」
兄の頬にチュとして、曄良は部屋に入っていった。
『襲うぞ、全く……』
譲は真っ赤になって妹の部屋を見つめた。
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