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The one …ただ一人の…
第20章 過去
『今更だ!あんた、曄良に何をしたかわかってるのか?もう2度と掛けてくるな!』
全く、何処から聞いたんだ。
譲は携帯をソファーに投げつけた。
コンコン
日向はノックすると、控え室のドアを開けた。
「外まで、聞こえてますよ。」
譲はバツの悪そうな顔をする。
『すまん。』
「大丈夫ですか?誰だったんですか?電話の相手。」
『父だ。』
譲は唇を噛み締めた。
『…ずっと音信不通だったんだ。なんで今更……』
「…何か…言われたんですか…」
『曄良に会いたいそうだ。バカバカしい。』
「曄良に知らせなくて……」
『言える訳ない。』
「なんで……」
日向の顔を見た譲は、大きく頭を振った。
『悪いな。何か用事があったんだろ?』
親族集合しろって。
それを聞いて、部屋を出ようとする譲を日向は呼び止めた。
「隠すなよ。」
『聞いて、後悔しないのか?』
日向は真剣な顔をして譲を見た。
譲は、深いため息を吐いた。
『中学の時。襲われたんだよ。実の父親に。』
日向の顔色が変わった。
「誰が……?」
『曄良だよ。』
「なっ…」
日向が黙り込む。
『最後までされた訳じゃないぞ。』
「曄良は。覚えて…るんですか…」
『ああ。しっかりな。』
バンっ!
日向は思わず壁を殴った。
「なんで…」
再び壁を殴ろうとして、譲に止められた。
『手を痛めるぞ。』
『わかったか?だから親父を曄良に合わせる訳には行かない。』
日向の表情は怒りに満ちていた。
『大丈夫か…?…悪かったな…』
「いえ、教えてくれて、良かったです。」
コンコン
すいません。ソロソロお時間が…
スタッフが呼びに来た。
控え室から戻った日向と譲を見て、曄良が聞いた。
「喧嘩したの?」
『なんで?』
「すごい怖い顔してたから。」
『笑えよ。日向』
『マスターも。』
無理矢理、ニッと笑う2人…。
不安そうな曄良の手を握る。
『大丈夫。なんでもないから。』
日向はそう言うと、笑ってみせる。
全く、何処から聞いたんだ。
譲は携帯をソファーに投げつけた。
コンコン
日向はノックすると、控え室のドアを開けた。
「外まで、聞こえてますよ。」
譲はバツの悪そうな顔をする。
『すまん。』
「大丈夫ですか?誰だったんですか?電話の相手。」
『父だ。』
譲は唇を噛み締めた。
『…ずっと音信不通だったんだ。なんで今更……』
「…何か…言われたんですか…」
『曄良に会いたいそうだ。バカバカしい。』
「曄良に知らせなくて……」
『言える訳ない。』
「なんで……」
日向の顔を見た譲は、大きく頭を振った。
『悪いな。何か用事があったんだろ?』
親族集合しろって。
それを聞いて、部屋を出ようとする譲を日向は呼び止めた。
「隠すなよ。」
『聞いて、後悔しないのか?』
日向は真剣な顔をして譲を見た。
譲は、深いため息を吐いた。
『中学の時。襲われたんだよ。実の父親に。』
日向の顔色が変わった。
「誰が……?」
『曄良だよ。』
「なっ…」
日向が黙り込む。
『最後までされた訳じゃないぞ。』
「曄良は。覚えて…るんですか…」
『ああ。しっかりな。』
バンっ!
日向は思わず壁を殴った。
「なんで…」
再び壁を殴ろうとして、譲に止められた。
『手を痛めるぞ。』
『わかったか?だから親父を曄良に合わせる訳には行かない。』
日向の表情は怒りに満ちていた。
『大丈夫か…?…悪かったな…』
「いえ、教えてくれて、良かったです。」
コンコン
すいません。ソロソロお時間が…
スタッフが呼びに来た。
控え室から戻った日向と譲を見て、曄良が聞いた。
「喧嘩したの?」
『なんで?』
「すごい怖い顔してたから。」
『笑えよ。日向』
『マスターも。』
無理矢理、ニッと笑う2人…。
不安そうな曄良の手を握る。
『大丈夫。なんでもないから。』
日向はそう言うと、笑ってみせる。