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The one …ただ一人の…
第20章 過去
その日は、どの女にも断られ…唯子の仏壇の前にいると、ふと唯子の遺書を見つけた。
自分宛ての手紙と譲、曄良への手紙だった。
恨み辛みはなく、謝罪のみのその手紙に、心が締め付けられた。

「お父さん。」
振り返ると、唯子が立っていた。
『唯子…そこにいたのか……』
思い切り抱きしめた。
無我夢中で抱いた。愛してると心で叫びながら……
「やめて!曄良だよ!お母さんは死んだの!」
我に返った。
曄良は身体中にキスの後が付き、涙を流していた。
俺は、そんな娘の中に、自分のモノを入れようとしていた。
呆然とした。
唯子じゃなかった…。
気がつくと、曄良は目の前には居なくて、部屋へ閉じこもっていた。
手紙を握りしめ、曄良の前から姿を消した。
曄良に手を出さない自信がなかったからだ。
曄良は、それほど唯子に似ていた。

色んな職場を転々とし、運送会社の仕事に就いた。
その仕事で出入りしたホテルで、5年前、偶然曄良を見かけた。結婚式の仕事をしているようだった。
それから、何回か曄良を見かけたが、声を掛ける勇気がなかった。
1カ月前。偶然仕事でホテルに行った時、従業員たちの話を聞いた。そこのホテルの社長の息子が結婚する事になったと。
「お相手は、ほら…ここにプランナーで出入りしてた可愛い子……。なんだっけ、そうそう、曄良ちゃんよ。それでね……」

曄良が……結婚…?
『挙式の日は何時ですか?』
噂話をしていた従業員に掴みかかった。
「えっ…」
『あ、すいません。以前、ここの息子さんに大変お世話になって。せめてお祝いをと…』
そんな嘘を付くと、あっさり教えてくれた。

そして今日、一か八かで、別れる前に登録してあった譲の携帯に電話をかけた。
譲が出た。曄良に会わせてくれと頼んだ。

「見事に、断られたがな…」

『当たり前だろ。』
譲は冷たく言い放った。

「断られたが、どうしても、一目でいいから、曄良の花嫁姿を見たかった……都合のいい話だ。」

父から語られた真実に、耳を傾けていた曄良は、母の手紙を手に取った。
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