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第21章 新婚旅行？

チャプン

いつの間にか戻ってきた日向は、露天風呂に、足を入れた。
「おかえり。」
『寂しかった？』
「日向に、いっぱい愛してもらったから、大丈夫。」
曄良はクスッと笑った。
日向は曄良を膝に乗せ、後ろから抱きしめた。
『今日、観光行けそう？』
「頑張る！」
『マッサージしてあげようか？』
「日向のはマッサージにならないでしょ？」
『確かに……』
2人は見つめ合って笑った、景色を眺めながら、しばらく露天風呂で疲れを癒した。


山下は車で待っていた。
今朝、曄良と日向は急遽、朝食を部屋食に変更した。
という事は。


「また、歩けないほどされたんですか？」
廊下ですれ違った日向に言った。
『うっ……でも過呼吸には、なってないし…』
「全く。」
山下はため息を吐く。

「あまり、ムリさせないように。」
『わかってるけど。わかるだろ？』
「何がですか？」

『あの声で…煽られると……止まらない。』
「……確かに。」

2人して、ため息を吐いた。
朝っぱらから、廊下でする話じゃないな。
そう言って、日向は笑った。

『心配かけて、すまない。』
「観光は、キャンセルしないで下さいよ。」
『ああ。わかってる。』
そう言って、その場を後にした。


「おはようございます。」
旅館の入口から出てきた曄良は、白いワンピースに、淡いクリーム色のカーディガンを羽織っている。
時折ふらつき、慌てて日向が腰を支える。
『大丈夫？』
「ん…大丈夫。」
頬をピンクに染めて、日向を見上げる。
なんか、いい雰囲気だな。
穏やかな空気が2人を包んでいる。
山下は微笑むと、車のドアを開ける。
『どうぞ。』
「ありがとうございます。」
ニッコリ笑う曄良。
2人が車に乗り込むと、山下はドアを閉め、車を走らせた。
「他のメンバーは？」
曄良が山下に尋ねた。
『一足先に、美術館へ向かいました。』
今日はガラスの森美術館へ行く予定になっていた。