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The one …ただ一人の…
第4章 初デート
曄良の予想通りで、高そうなレストラン。
『やっぱり』
曄良は日向を見上げて、頬を膨らます。
美味しいからと日向に諭され、腰に手を回されエスコートされる。
窓際の、東京の景色が一望出来る席に案内される。
料理が運ばれて来ると、曄良の機嫌も直った。
美味しい物には弱いみたいだ。

「機嫌、直った?」
『…直りました。ごめんなさい。』
「良かった。」

そう言って、日向はニコニコして、曄良を見つめる。
『そう言えば、日向くんは、大学で何専攻してるの?』
曄良は、運ばれてきたデザートのプレートの可愛らしさに感動しながら、日向に聞いた。
「経営学だよ。」
『実家を継ぐから?』
「まあ、それもあるけどね。」

日向は嬉しそうに答える。
『なんか日向くん、嬉しそうだね。』

「曄良さんがオレのことに興味持ってくれたから。」

『えっ。』
「オレを知ろうとしてくれて嬉しいよ。」
曄良の頬がピンクに染まる。

『日向くん。大学でモテるでしょ?』
「まあね。」
曄良は目を丸くして日向を見つめた。
『否定しないんだ。』
はははっと笑って、日向はコーヒーを飲む。
「確かに告白は、沢山されてるよ。でも……」
日向は、曄良の手を握ると、曄良の瞳を見つめた。
「全部、断ってる。」
『何で?好みの子とか、いたでしょ?』
「いない。」
『だって、可愛い女子、いっぱいいるじゃない。日向くんの同級生……』
日向は、不思議そうな顔をして、曄良を見た。
「曄良さん、何でそんな事知ってるの?」
曄良は、ハッとして慌てて紅茶を飲んだ。
『一般的な…話だよ。女子大生って…ね?』
日向は腑に落ちないという表情をしたが、曄良の手を握りなおして言った。

「オレが、自分から告白したのは、曄良さんだけだから。」

曄良は、射る様な瞳で見つめてくる日向から、目が離せない。

「他の人は、目に入らない。」

『でも、これから出会いはたくさんあるのに……』

曄良は俯いて、紅茶に映る自分を見つめた。

「今も、これから先も、オレの目には曄良さんしか映らないから。」

曄良は、日向の真剣な言葉が心に突き刺さる。
曄良の瞳が潤んでいく。
「だから、安心して好きになって良いよ?」
ニッコリ笑う日向を、曄良は頬を赤く染めて見つめていた。
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