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The one …ただ一人の…
第5章 好きという事
「アキラーっいらっしゃーい!!」
結城さんの家に着くと、結城さんの双子の男の子が走り寄ってくる。
朔弥と雄弥は、曄良に惚れている。
いつも曄良の膝の上を巡って、戦いを始める。
5歳にして男なのね。
と結城さんは笑っている。
「曄良ちゃんは年下キラーね。」
『止めて下さいよ。』
結城さんに、はいはいっといって受け流される。
結城さん、ご主人は?
「今日はホテルで缶詰。締め切り近いのよ。」
結城さんのご主人は売れっ子の小説家。締め切り間際は双子に邪魔されないホテルで執筆をしている。
邪魔といっても、ご主人が家にいると、つい双子と遊んでしまうので、あくまでも出版社側からの依頼で、ホテルに籠る。

「で、何があったの?仕事に支障を来さないまでも、みんなが気がつくんだから、相当重症よ?」
缶ビールと酎ハイ、ツマミを用意し結城さんがソファーに座った。

曄良は結城に女子大生との一件を話した。
「その手の傷、そんな経緯があったのね。」
そこまで、追い詰めちゃったのは、私が日向くんに甘えてしまったから。
最初から、一線引いておけば良かった。と話した。
「はぁ?なんで、だって曄良ちゃんは年下くんのこと好きなんでしょう?」
結城さんはきっぱり言った。
「なんで、そんな遠慮するの?周りの事や先の事は考えない!迷わず飛び込みなさいよ。飛び込んでみないとわからないでしょ!」
曄良は結城さんの顔を見つめた。

「曄良ちゃん、まだ27歳。なの。飛び込んで失敗しても、まだやり直し効くから!」

仕事の決断力や思いっきりの良さを恋愛にも生かせば良いのに。
とニヤニヤしながら見つめられ、真っ赤になる曄良。
『結城さん、なんか楽しそう。』
「当たり前じゃない。曄良ちゃんの恋愛話、聞くの楽しみにしてたんだから。で、どんな人なの?」
両隣から、双子ちゃんに腕を掴まれながら、結城さんに朝まで恋愛トークに付き合わされた。
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