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The one …ただ一人の…
第5章 好きという事
朋也は怪我の事を聞いてきた女子を連れて、日向の所にやって来た。

「日向、怪我の事、聞いておいたほうが良いと思って。」
日向の顔からは、さっきの怒りは消えていた。

『ごめんなさい。私達、咲世子と一緒に早瀬さんの所に行ったんです。
咲世子に居場所調べたって言われて。』

話を聞いた日向は驚きを隠せなかった。
咲世子は、曄良の顔に傷を残そうとカッターを曄良に突き付けた。曄良が威嚇して、寸止めの蹴りを入れ、ビックリした咲世子がカッターを振り回して暴れた。

この女子の顔面に当たりそうになったカッターを、曄良が手で握って止めただとっ?
それで、あの手のひらに…
あの咲世子って女、許さねえ…

『早瀬さん、私達に大事にはしないって。証拠のカッターも、咲世子に処分するようにって渡して。本当にカッコ良かったです。』

…カッコ良かった?
日向は眉を上げて、その女子の顔を見た。
女子の顔はウットリして頬をほんのり赤く染めている。
曄良は女まで虜にするのか?
オレの曄良を傷つけておいて、呑気なやつだ。日向はイラっとした。
だが、こいつが、やった訳じゃない。こいつは取り巻きの1人だ。こいつに怒りをぶつけても、どうにもならない。
深く息を吸うと、怒りを鎮めた。

「曄良は、駅で転んだって言った。手をついた時に、たまたま切ったと。だから大事にはなってない。安心しろ。」
『怪我は、怪我は大丈夫でしたか?』
「6針縫ったって。笑ってたから大丈夫だろ。」
『6針…も?』
「それでも、オレの同級生達を犯罪者にしたくなかったんだろ………
曄良はそういう人だ。」

全てが、パズルのピースがはまるように、しっくりハマった。

曄良さんのデートの時のあの混乱も、病院の帰りのあの言葉も、これで全て謎が解けた。
なんで、全部自分で背負い込む。
オレに、相談してくれれば。

日向は、ため息を吐く。

でも、きっとオレに言ったら、その後の結末が曄良さんには分かっていたんだろう。
オレなら間違いなく、咲世子を警察に突き出してた。

優しい人だ。優し過ぎるよ。
きっと今も、あのくだらない女に言われた事とオレへの気持ちとオレの気持ちに挟まれて、苦しんでる。
会って、話がしたいよ。抱きしめて、キスして、曄良さんの不安を全て溶かしたい。

日向は、目を閉じ、曄良に想いを馳せた。
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