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The one …ただ一人の…
第8章 波乱のプロポーズ
曄良は頭の中でグルグル思考を巡らせた。
嘘……つかれてた?
そんな、生きてきた環境が違うよね。
私で…いいの?
曄良は自分の過去に自信がなかった。
でも、日向と今更…別れるなんて……
ふと指輪に目をやる。

『曄良?取り消しとか、無しだからね?』

曄良の表情を読んだ日向はそう言って後退りして、逃げ出そうとする曄良の腕を掴んだ。
そして腰に手を回すと抱きしめる。

『大丈夫だから。今までと生活は変わらない。曄良は好きな仕事して、普通に生活してもらっていいんだよ。ただ、資産家の嫁さんになるから、多少は危険を伴うかも知れない。そこはオレが全力で守るから。』

少し間があってから、曄良が言った。

「日向。あのね。これ一番大事な事だよね。どうしてプロポーズの前に話してくれなかったの。」

確かにそうだ。本来なら、きちんと話してから納得した上で結婚を決める。それが筋道だ。
だけど怖かったんだ。曄良が事実を知ったら、変わってしまうかもと、、、

「私は、日向が貧乏でも、お金持ちでも、関係ない……。日向自身が好きなの。身分とか、社長夫人とかそんなの関係ない。でも、本当に私でいいの?会社や家や色んな事が絡んでくるんだよ。簡単に、決められないよ。」

『でも、オレは曄良しか考えられない。』

「なら、なんで言ってくれなかったの?」

『曄良が…変わってしまうかも…』

曄良の顔色が変わった。

「私はそんなに信用されてなかったの?」

『あっ……』

オレは今まで、曄良のどこを見てたんだ。
散々、曄良なら大丈夫だって、思ってた筈なのに。
最初から言うべきだったんだ、曄良を信用してるなら。
結局信用出来てなかったのか?…オレは…

掴んでいた曄良の腕を離し、項垂れて椅子に座った。
『ごめん。曄良…っオレ。』
コトン。机に指輪が置かれた。
「ごめん。少し距離置こう。少し混乱してるから、私も頭冷やす。」

『曄良…嫌だ、せめてこの指輪だけは持ってて。頼む。はめなくても良いから。』
そう言って曄良の胸ポケットに落とす。
黙ったまま、曄良はエレベーターに乗り込んだ。
言い知れない寂しさが身体中を巡り、さっきまでの幸せの気持ちが音を立てて崩れていった。
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