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The one …ただ一人の…
第8章 波乱のプロポーズ
エレベーターに乗り込んだ曄良はヘナヘナと座り込んだ。
「日向…なんで…」
涙が止まらない。
大好き、大好きだから悔しくて。
信用されてなかったの?日向が、お金持ちと知ったら、私がどう変わると思ったの?
悲しくて泣き崩れた。
一階に着くと、トボトボと綺麗なホテルのシャンデリアを眺めながら、歩いて行く。
エントランスから出ようとすると不意に名前を呼ばれた。
「曄良ちゃん?」
振り返ると、斎藤さんが心配そうな顔して立っていた。
「斎藤さぁーん」
目にいっぱい涙を溜めて、斎藤さんに抱きついた。


控え室に通されて、あったかいココアを入れてもらう。

「ごめんなさい。あんなところで抱きついちゃって…」
ホテルのエントランスで大声で泣きながら抱き合うおじさんと若い娘、ただならぬ光景に周りの視線を集めながら、斎藤に連れられて、ここまで来た。
私は嬉しかったよ。なんて斉藤さん冗談めかして、笑ってくれた。
何があったの、、
優しく聞いてくれる。
曄良は、大好きな人に嘘をつかれてた事。
信用されてなかったと感じて悔しかった事。
そんな事があっても、今も大好きで、大好きで、胸が痛い事。
日向の事を考えると、また涙が出て来た。
状況はわかったよ。
そう斎藤さんが静かにいった。
「曄良ちゃんは今も彼の事が好きなんだね。だったらゆっくり時間を掛けて考えるといいよ。
そうしたら、今見えてない彼の気持ちも、嘘をついた理由も、見えてくるんじゃないかな?
彼も多分、相当悩んだと思うよ。悩んで起こした行動だったんだとしたら。」
斎藤さんの言葉は、胸にストンと落ちた。ココアを飲み、頷いた。
「はい、これ。」
お金が入った封筒と、何故だかシルバーのクサリだけのネックレスを渡された。
???
「カバン、置いて来ちゃったんでしょう。とりあえずお家までのタクシー代と、このネックレスでその胸ポケットの指輪、首から下げておきなさい。
持っていて欲しい。って言われたんだよね。だったら、そばに置いておかないと。何か意味があるのかも知れないよ。」
戸惑いながら、ハイと返事し、ネックレスに指輪を通してみた。それを首から下げ、ゆっくりと立ち上がった。
「斎藤さん。お金は後日返します。ありがとうございました。」
ペコリと頭を下げた。
「また何かあったら、何時でも来なさい。」
そう言って、斉藤さんは微笑んだ。
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