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The one …ただ一人の…
第8章 波乱のプロポーズ

「おはようございます。色々とご迷惑おかけしました。」
職場に入ると、スタッフみんなが拍手で迎えてくれた。
ショップの中は様変わりしていた。淡いブルーの壁紙に白の王冠の模様が点在して、白木の床がさらにそれを引き立てている。
カウンターも各ブースも、淡いブルーと白に統一されていた。
「所長、すごく素敵になりましたね。」
「そうなの。本当に、スタッフもみんな士気が上がって、お客様も増えてるのよ。これも王子のお陰ね。」
『えっ、王子って』
「あらっ、日向くんからまだ、聞いてないの?」
ん?なんで日向?
『はい』
「照れ屋さんなのね。業者から資金まで全部彼が手配してくれたのよ。悪いから代金はこちらが払うって言ったのに。ドア蹴破って壊したのオレですからって。彼、大学生よね。お金持ちなの?」
はぁ、まぁと話を濁す。そうすると所長は話を続けた。
「彼の足はもう大丈夫なの?」
『えっ』
「ドア蹴破った時怪我してたみたいで、多分骨折してるって救急隊に言われてて、でも足骨折してるのに、曄良ちゃん抱えて颯爽と歩いて行くんだから、みんなで愛の力は偉大だねぇーなんて話してたのよ。」
…全然知らなかった。だって包帯も痛そうな素振りすら見せなかった。
でも、日向はそういう人だ。
私には心配掛けない様に、心配掛けない様にする。年上の私が甘えられる様に、何時も一歩前を歩いている。そんな人だ。
さっ、報告はこんな所かな。仕事ゆっくりでいいからね。と言うと所長は自分のデスクに戻って行った。
曄良が自分のデスクに戻ると、結城さんが側に来て耳元で言った。
「で、プロポーズはもうされたの?」
カタンっ!
思い切り立ち上がって結城さんの顔をみた。
『なんで、そんな事…知って…』
その様子だともうされたのね〜なんて呟きながら、昼休み聞かせてねとウインクして来る。
なんで、なんで、なんでぇ!
職場に入ると、スタッフみんなが拍手で迎えてくれた。
ショップの中は様変わりしていた。淡いブルーの壁紙に白の王冠の模様が点在して、白木の床がさらにそれを引き立てている。
カウンターも各ブースも、淡いブルーと白に統一されていた。
「所長、すごく素敵になりましたね。」
「そうなの。本当に、スタッフもみんな士気が上がって、お客様も増えてるのよ。これも王子のお陰ね。」
『えっ、王子って』
「あらっ、日向くんからまだ、聞いてないの?」
ん?なんで日向?
『はい』
「照れ屋さんなのね。業者から資金まで全部彼が手配してくれたのよ。悪いから代金はこちらが払うって言ったのに。ドア蹴破って壊したのオレですからって。彼、大学生よね。お金持ちなの?」
はぁ、まぁと話を濁す。そうすると所長は話を続けた。
「彼の足はもう大丈夫なの?」
『えっ』
「ドア蹴破った時怪我してたみたいで、多分骨折してるって救急隊に言われてて、でも足骨折してるのに、曄良ちゃん抱えて颯爽と歩いて行くんだから、みんなで愛の力は偉大だねぇーなんて話してたのよ。」
…全然知らなかった。だって包帯も痛そうな素振りすら見せなかった。
でも、日向はそういう人だ。
私には心配掛けない様に、心配掛けない様にする。年上の私が甘えられる様に、何時も一歩前を歩いている。そんな人だ。
さっ、報告はこんな所かな。仕事ゆっくりでいいからね。と言うと所長は自分のデスクに戻って行った。
曄良が自分のデスクに戻ると、結城さんが側に来て耳元で言った。
「で、プロポーズはもうされたの?」
カタンっ!
思い切り立ち上がって結城さんの顔をみた。
『なんで、そんな事…知って…』
その様子だともうされたのね〜なんて呟きながら、昼休み聞かせてねとウインクして来る。
なんで、なんで、なんでぇ!

