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The one …ただ一人の…
第8章 波乱のプロポーズ
昼休み。いつものカフェで曄良は結城さんとランチをしていた。

「えーっ、断ったぁ!」

結城さん、声大きいっ!
あっ、ごめん。

『断ったって言うか、保留と言うか。』
「せっかくの玉の輿なのに。」
『玉の輿って、山野辺グループの御曹司だよ?』
えーっ。また大きな声で叫ぶ。

店員さんから注意され、すみません。と謝る。
結城さんは、横にあった水を一気に飲み干した。

「単なるお金持ちじゃないんだ。本当の玉の輿だぁ」

結城さんは両手を絡め、ウットリしている。

『それをね。プロポーズして、返事をして、その後に知らされたの。なんかすごく試された感じがして……』

曄良は、グラタンをホークで突いている。

「ああ、なるほどね。確かに。」

『お金目当てとか、社長夫人とかそう言うの私関係ないのに。ましてや、私には苦労させないって、私は日向と一緒に苦労したい。私も一緒に同じ所から同じ目線で歩きたい。』

結城さんは微笑んで私を見つめた。
「曄良ちゃんはそういう子よね。でも、それは彼も感じてたんじゃないの。だから、曄良ちゃんに惹かれたんだと思う。」

だったら、なんで!そこまで言うと俯いた。
泣きそうだった。
「彼さ。生まれた時からその環境にいたんでしょう。小さい頃から、山野辺グループの看板背負ってたら、人を信用するのって相当勇気がいるんじゃないかな。それこそ、金目当て、玉の輿狙いの女の人なんてワンサカ居たと思うよ。曄良ちゃんみたいな人種は本当に珍しいからね。」

本当に天然記念物だよっ曄良ちゃんは。
そう言って、結城さんはランチのパスタを頬張った。

「寄って来る人寄って来る人、お金や身分目当てで、何度も裏切られてたら、そりゃ人信用出来なくなるよ。でしょ。」

確かに。そうかも知れない。
私、心狭い。って言うか鈍感過ぎ。
今さらながら、反省。
自分の気持ちしか、考えてなかった。日向がどうしても言えなかった経緯。あの時そんな事考える余裕、なかった。
私、馬鹿……。日向、ごめん。

それから、あのお見舞いの時の双子の宣戦布告にオトナな対応した日向の話を聞いて笑った。
心が暖かくなった。
ふと首にかけられた指輪に手をやる。
斎藤さんの言葉を思い出した。
違うモノが見えてくる…。
本当にそうだ。
私も日向を見失ってた。出会ってからの日向を思い出しながら、結城さんと職場へ戻った。
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