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The one …ただ一人の…
第8章 波乱のプロポーズ
ニュースにも取り上げられる程の事件に発展したが、親父が裏から手を回した為、犯人以外の実名報道はされなかった。

マスターは、自分を責めたが、悪いのは犯人以外の誰でもない。

曄良は太ももの傷は浅かったが、背中の傷が臓器をかすめていた為、一時は生死を彷徨う事態となった。
オレは曄良が死んだら、オレも一緒に死ぬと大騒ぎをして取り乱し、安定剤を注射される始末だった。

一命は取り留めて、ICUから一般病棟に移り、あの事件から1ヶ月が過ぎていた。
未だ目覚めない曄良を、病室のベッドで見つめていた。

「今日は曄良に良いもの持って来たよ。」

そう言って桜の枝を花瓶に入れた。

「これは早咲きだから、、4月になったら一緒に花見しような。」

そう言えば、曄良と出逢ったのも、桜の季節だったな…

「オレ、もうすぐ大学卒業するよ。4月から曄良が好きなあのホテルで仕事するんだ。仕事でも会えるといいな…」

そう言って、頭を撫でる。
前髪伸びたな。そう言って目にかからないようにしてやる。

「早く起きてくれよ姫。目覚のキスはもう何回もしてるのに。王子は、一人じゃ寂しいよ……」

そうして、またゆっくりと唇を合わせる。
もう何度も繰り返したキス。


ふと曄良が笑った様な気がした。
「曄良?」

ゆっくりと目が開く。
そして唇が動く。
『…寂しがりや…さんだね…日向』
小さな消え入りそうな声が聞こえた。

「曄良っ!曄良っ…あきらぁ…」

涙でグチャグチャになりながら、何度も曄良の名前を呼んだ。

『また、心配かけちゃったね…』
少し、痩せちゃったね。曄良が呟いた。

「本当に、目覚めなかったら…ううっ…どうしようかと…」

『ごめんね。泣かないで…』

そう言うと、ゆっくり手を伸ばし、日向の頬の涙を拭う。
日向は、その手を愛おしそうに包みこむ。

『日向…私ね。日向に言わなきゃと…この前は怒ったりしてごめんね。』

日向は、オレもごめん。と呟く。

『あとね。本当はプロポーズ…嬉しかった。ありがとう…』

日向の目から、どんどん涙が溢れてくる。こんなにも泣いてる日向をみたのはもちろん初めてだった。

『良かった。…ちゃんと伝えられて』
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