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The one …ただ一人の…
第8章 波乱のプロポーズ
そんな話をしていると、病室のドアが開き、後ろから声がした。

「あーっ、曄良の意識が戻ってる!!」

マスターの声が病室に響き渡った。

お前はっ、早く知らせろよっ!

と日向を羽交い締めにして頭を小突いてる。

いやっ。本当に今さっきなんでっ!と言い訳を繰り返してる日向。

『本当に、2人仲良しだね。』

「仲良くないっっ」
2人は声を揃えて言った。

そんな2人を見て、曄良は幸せそうに笑った。


意識が戻った曄良は、色々な検査をして、とりあえず大丈夫でしょうと主治医の先生からお墨付きをもらい、2、3日中に退院出来ると言われた。

病室に戻った曄良が、ふと質問してきた。
『そういえば、どうしてあの場所がわかったの?』

ああ〜と日向は何やらバツの悪そうな顔をしていた。
「また、怒られそうだから、内緒!」
とイジワルく言った。

『えーっ。ずるい。』
膨れて、イジける。
どうせ怒り虫ですよーっもういいもん。と拗ねてしまった。
「あーっごめん、ごめんね。言うよ。ちゃんと言うから。」
ベッドの上に体育座りで小さくなって拗ねてる曄良の横に腰を下ろした。

「これだよ。」
と言って、婚約指輪に手をやった。

ん?と曄良は顔を上げる。
「これにGPS付けてあったから」
GPS?こんな小さい指輪に?どうやって?不思議そうに見つめて外そうとする曄良に慌てて日向が

「ダメダメっ、もう外さないって言ったじゃん!」

ビックリして、日向を見る。何をそんなに狼狽えてるの?

「別に、曄良を監視しようとかそう言うのじゃないから。ただいつも曄良の居場所を知って安心したいと言うか、別に浮気とかそういうのを疑ったりしてるわけじゃ、信じてない訳じゃないからね!」

あーっ、そっち。そう言う事ね。と笑いが込み上げてくる曄良は、日向に言った。

『私は、どういう仕組みになってるのかなぁって、そっちに興味が湧いただけなんだけど…』

「えっ。」
完全に墓穴を掘ってしまった。
俯く日向に、曄良はクスクスと笑った。

『浮気なんてしないのに。』
そう言って、日向を抱きしめる。

「いやっ、本来の目的は、本当に今回みたいに何かに巻き込まれた時に、居場所特定の為だから。ただその…」
言葉の途中で曄良に、キスをされた。
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