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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第8章 熱くなる胸
「任務中に…?」
「…はい。依頼者を狙った銃弾が母に当たって…それで…」
それは14年前の出来事だった。
死んだ母はまだ30歳。
当時、フリーのガードマンだった彼女は、殺害予告を受けたとある著名人に依頼を受け警護していた。
「それは辛かったろうね」
「……すっごく、泣きましたよ。いっぱい泣いて…泣いて。でももう乗り越えました」
しんみりとした空気になってしまった。
同情するスミヤに、ミレイは笑顔を見せる。
「ごめんなさい、こんな話まで…。わたし、母のことはめったに人に話さないんですけど。スミヤさんなら聞いてくれるかなって」
「…うん、僕のことは気にしなくていい。悲しい過去を打ち明けたくもなるさ」
気を使う彼女だが、スミヤは変わらずの態度で接してくれる。
この包容力だろうか…
つい、たくさん喋ってしまう原因は。