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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第8章 熱くなる胸
彼に助けてもらったことや
彼が残したジャケットにLGAの銀バッジが付いていたこと。
それをスミヤに伝えると、彼は興味深そうに聞いてくれた。
「子供の誘拐はよくある事だが…、LGAの生徒が学園の外に出て、依頼者以外の人間を護衛するなんて聞いたことないね」
「偶然通りかかったにしては、都合が良すぎると思って」
「…そうだろう。顔は見ていないのかい?」
「はい…逆光で…。周りを囲まれていたし」
そうだ、あの時。
青年の顔を見ようと前に出たところで、彼女は背後からスタンガンで気絶させられた。
青年と言葉を交わすどころか顔も知らない。
ほんの1分…いや数十秒
それだけの出会いだ。
それでも忘れられない。
恋に落ちたとか、そういうのじゃないんだ。
ただ、もう一度会いたいだけ。