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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第8章 熱くなる胸
いつかと同じ様に…
彼女を助けたのはスミヤだった。
「…スミヤ…さん…」
「彼女を離すんだ、ハルト」
「…、うざ」
ミレイを押さえ込むハルトの姿に、呆れ顔で腕を組む。
そんなスミヤを睨み返したハルトの方も、素直に言うことを聞こうとはしない。
「騒がしく走る音が聞こえたから来てみたら…、そんなにがっついてどうしたの? 思春期の子供そのままじゃないか」
「…空気読めよ。あっち行ってな」
「──…断るよ。彼女が嫌がっている」
「はぁ?」
さすが兄貴と言ったところか。
ハルトに逆らう人間など滅多にいないが、スミヤは全く臆することない。
「俺に指図して何のつもりだ。…まさか、この女」
「──…事情が変わったんだ。彼女は父さんの愛人ではなかったみたいで」
「なんだと?」
愛人ではない?
それを知らされて、ハルトはやっと彼女を解放した。