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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第9章 眠る男
「あの兄弟達はそろいもそろって変わり者、って言われてる。…ま、悪い噂もちらほら聞くし、お近づきにはなりたくないよ」
「…悪い噂って、その…スミヤさんも?」
「次男の東城スミヤ?狙撃の名手で有名だけど……ここだけの話、そーとーな色好みらしい」
「そんな…」
色好み、なんて古めかしい言い方だが、ようは女遊びが激しいということだろうか。
ハルトならまだしも
スミヤにまでそんな噂があるなんて知らなかったミレイには、ショックなことだった。
「あくまで噂だけど、男女の区別なくヤりまくってる千人斬りとか…」
「──…おい、そういう言い方やめろよ。女の子もいるんだからな」
「わ、悪い…」
「枢木さん、あんま気にすんな」
ナツは顔色を曇らせたミレイを気遣った。
ストレートな言い方に女性である彼女が気を悪くしたのだと思ったのだ。
“ あんなに優しくて素敵な人なのに… ”
ハルトの仕打ちを代わりに謝ってくれたり
わたしを落ち着かせようと紅茶を淹れてくれたり
楽しくもないだろう…死んだ母の話にも付き合ってくれるような、誠実な人なのに。