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第9章 眠る男

あれ？意外とあっさり見付けてしまった。

“ あの奥にあるの…？ ”

見れば、廊下の突き当たりには扉もなく、立ち入り禁止の札だけが掲げられている。


…要するに、ガードはゆるそうだ。


トトトッと廊下の奥まで進んだミレイは、閲覧禁止と書かれた部屋の前で立ち止まった。

廊下から中を覗けば、特に変わったところもなく、似たような本棚に、同じ様に本が詰まっている。

電気も付いているので明るい。

強いていうなら、少しだけ控えめな照明かもしれない。


「……」


とりあえず、一歩だけ。


失礼しますっ。


「…はいれちゃった」


これが本当に、閲覧禁止の本棚なのだろうか？

拍子抜けを通り越して…不安が増す。