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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第9章 眠る男
不安だが…しかし、彼女が奥へと進んでも何も異変は起きない。
「あ…!この文庫って幻の…!?」
ふいと横の棚を見上げれば
昔の作家による手書きの書物が収められている。
それを目にした彼女のテンションはあっという間に上がった。
手にとって見るのは罪悪感があるため、背表紙を眺めるだけだけれど。
“ 閲覧禁止なんだし、目的の資料以外に手をつけるわけにいかないものね… ”
やっぱりここは宝の山だ。
ミレイは目を輝かせた。
時間が迫っているので長居はできないが、それほど広くはない部屋を彼女はざっと見て歩いた。
探し物は必ずこの部屋にある。
早く見つけたいというドキドキと、立ち入り禁止だという緊張が合わさってミレイを興奮させた。
“ この辺は海外の書物ばかり。LGAに関する資料はあっちの棚かな…? ”
一番奥の棚が気になって
ミレイはそちらに進んでみた。
「──…」
「‥‥‥スー、スー」
まさかそこを曲がった所に
男が横たわっているとも知らず───。