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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第9章 眠る男

はっきり言って、男の髪は手入れの手の字も知らないような状態だった。

不潔なわけではないのだが、中途半端な場所から髪がぴょんぴょんと飛び出している。

それでも…一本一本がまるで絹糸のような細さと柔らかさだから、もっさりという印象にはならなかった。

角度によっては銀色にも見える、色素の薄い金髪だった。


スー、スー、スー


“ 気持ち良さそうな寝息ね… ”


閉館間際だが声をかけられない。

そもそもここは立ち入り禁止なんだから、彼を見つけるこの状況からして可笑しい。



どうしたものか。




「‥‥‥」



「──…、あれ…」




寝息、止まった…?





「…何か、用 なの?」


「…っ…ぅ」



目の前の彼は、身体を動かさずに第一声を発した。




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