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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第9章 眠る男
「なんでって、それは…──」
もうすぐ図書館は閉まるし電気だって消える。
それに鍵を閉められたら朝まで出られなくなることを説明しても、彼にはてんで響かなかった。
「…何が困るの」
「だって外に出られなくなるんですよ!? 」
「出る必要は…とくに無い」
そう言って、構うことなく寝ようとする。
“ 駄目だ、話が通じない…! ”
そもそも彼は生徒なのだろうか。それなら寮に戻ればいいのに…。
本当にここで一晩すごす気なのかな?
布団もないし、あんな壁に寄りかかった姿勢で…
自分だったら身体が痛くなりそうだ。
“ 何を言っても無駄、かなぁ。彼のことはそっとしておいて、早く資料を探した方が良さそう ”
「─…ふぅ」
ミレイは諦めて腰をあげた。
「…もういいです。わたしだって、あなたの相手をしている暇なんてないもの」
聞いているのかわからないが、一言、捨て台詞を残しておく。