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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第10章 奴隷宣告
“ やっぱりこの人、生徒だったんだ… ”
横のダルそうな男を盗み見る。
「……!?」
するとミレイは、彼が羽織るニット地の上着の影から、ちらりと覗く銀色のバッジを見つけた。
こんな人でも銀バッジを持てるのか!
声には出せないが衝撃的だ。
──そしてそのバッジを見付けたのは指導官も同じだった。
「君は……」
「教官殿、この生徒は…っ」
「何か知っているのか?」
後ろに立つ職員のひとりに目配せすると、何か思い出したらしいその職員に耳打ちされる。
「──…の生徒です」
「なるほどな…彼がそうなのか…」
見定めるように目を細め、前を見る指導官。
“ …有名な人なのかな? ”
この学園に来て日も浅いミレイは何も知らないが、どうやらこのダル男さんはただの生徒ではないらしい。