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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第10章 奴隷宣告
「どうしても見たい資料があって…」
「──資料?」
ミレイは言葉を間違えた。
もし彼女がここで「資料」ではなく「本」と言葉を濁していたなら、指導官の態度も変わっていただろうに…。
「それはどういった資料なんだ」
「LGA学園が過去に請け負った依頼を記録した資料です」
「……!!」
彼女の答えを聞いて指導官の顔に険しさがつもる。
ここで漸く、ミレイは自身の失言に気が付いた。
指導官は提出された学生証を──そこに書かれた名前と学年を確認した。
「君は今年度の新入生だな?」
「はい…っ」
「授業二日目にして早くも校則違反とは…。まさかその資料を見るがための入学か?」
「そ、それは」
彼の言うことはハズレではない。
彼女がLGAに入学した目的のひとつは確かに、恩人の手がかりを掴むこと。
──しかし、ここで「そうです」と答えるほど
ミレイの頭は鈍くなかった。