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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第10章 奴隷宣告
彼女は隣の男とともに、残される。
《 我が校にスパイを送る組織はいくらでも… 》
「…そんな」
立ち上がりかけていたミレイだが、腰が抜けたように椅子に座り直した。
「…わたし…どうなるの…?」
スパイだなんて誤解だ。
自分はただあの時の…あの人に、会うために
彼の手がかりを見付けたくて。
なのに
このままでは──
「──…退学、だろうな」
「……っ」
焦躁する心に追い討ちをかけるがごとく、横からさらりと口を挟まれる。
ミレイは彼を睨んだ。
「退学だなんておかしい!ここに入るまでどんなに苦労したかわからないのに…!!」
「……」
「…たったこれだけで全部が水の泡だなんて信じられない…っ」
認めたくない。認められない。
もっと慎重になっていれば…と
後悔ばかりが膨らんでしまう。