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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第10章 奴隷宣告
どうしてこんな嫌な男に、頭を下げなければいけないのか。
“ でも…原因を作ったのは自分自身 ”
軽率だった。
貴重な文庫が棚に収められていたのを見た時点で、それなりのセキュリティが張られていると気付けばよかったのに。
こんなことで退学になったりしたら、悔やんでも悔やみきれない。
「……っ」
男のほうはと言うと、彼女が自分に助けを頼もうが頼むまいが興味は無いようで、こちらに顔を向けてもくれない。
そんな態度にムッとくるが
“ 仕方がない…っ ”
ミレイは椅子から腰をあげ
彼に真っ直ぐ身体を向けた。
「わたしがちゃんと頼んだら…ッ、助けてくれる気はあるんですね…?」
「助ける…気?」
フッ‥
「──…あるわけが無いだろう。面倒臭い…」
しかしこの男──
血のかよった人間だとは思えない。