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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第11章 ツカマエタ

そんなご時世、ガードマンにも銃の所持は必須である。

「君は持っていないのかい?」

「まだ…持っていません」

「護身用でも訓練用でも、ひとつくらい持っていた方がいい。LGAで訓練すれば免許も取れるし」


カチャ、カチャ


付属の部品を、スミヤは銃身に取り付けていく。


「それがガンキャップですか?同じ物に見えるけれど…何個もあるんですね」

「任務のたびに犯人を殺して、裁判沙汰になるのは避けたいからね。僕は距離や相手の状態を見て、数種類のガンキャップを使い分けるようにしてる」


ガンキャップとは銃口にはめれば発砲時の威力を弱められる部品で、種類によって10%~60%と減り幅は違ってくる。

警察やガードマンは常にひとつのガンキャップを銃口に取り付けているらしい。

けれどスミヤはいくつかのそれを持ち歩き、実戦中で状況を見きわめながら取り換えて使うのだ。

──これも彼が " 名手 " と呼ばれる所以である。



「まぁ一番大事なことは、何処に当てるか…なんだけれどね」


「相手の怪我を軽くするために?」


「……場合による」



専用の布で磨かれた銃身は

空からの橙色をその黒色に半分だけ溶かし込んで、鈍く光を反射していた。



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