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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第11章 ツカマエタ
そこには板張りの床に木の格子──
牢屋がいくつも並んでいた。
「え…!?」
右手に五つ、左手に三つ
格子によって隔たれた牢がそこにある。
「どうしてこの家に牢屋なんか…!!」
後ずさりそうになりながら彼に問うた。
「さぁ…知らない。誰もそんな注文つけた覚えないらしいんだけど。勝手に掘って、勝手に残していったんだよね」
「…勝手に…!? か、変わった人ですね…っ」
「今のご時世に、地下牢なんて作られても使い道がねぇ」
苦笑いを浮かべるスミヤは左手の一番奥の牢に足を動かした。
扉に鍵はかかっておらず、彼は躊躇なく中に入る。
「…けれどこの光景って、視覚的に人を寄せ付けない効果があるみたいでね。だから大事なものはここにしまうようにしてる。…ほら、この銃とか」
「わ─…ッ たくさん」
彼が入った牢の壁には、いくつもの銃が飾られていた。
全てスミヤの私物だろうか。
彼は手に持っていた二つも同じ場所に提げる。