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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第12章 もっと深い トコロ で
「言うなれば──…何様? って感じ」
彼女のすぐ頭上から投げ掛けられたその言葉には、愛想というものが無くなっている──。
ぶっきらぼうな低音の声に
震えすら起きてくる。
「フ…」
「……っ…?」
「君がそうするように仕向けたのも僕だから、やっぱり悪いのはこっちなんだけどね。ごめんね」
それから怯えだすミレイを一瞥( イチベツ )して、彼はいつもの表情に戻った。
一瞬前まで " 男 " でしかなかったその声にも、普段の穏やかさを加えて──。
それでも右手の銃を手放してはくれないから、彼女の恐怖は続いた。
「……、怖いの?」
「わたしを、殺す気 ですか…っ」
ミレイがなんとか絞り出した言葉。
ああ…自分はこの牢獄で殺されるのだろうか──信じていた人に。
「ハハ…殺すわけないじゃない。怪我だってさせないよ。ハルトみたいに相手を痛め付けて楽しむ趣味はないんだ」
彼女が顔に浮かべる深刻な表情を笑いながら、スミヤは銃口をそっと突き付けた。