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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第3章 その暴君、天才につき
「俺はどんぶり」
「わたしは定食」
好みの別れた二人はそれぞれの列に並んで配膳を待つことに。
“ 定食にもいろんな種類があるのね…迷うな ”
並んでいる間にメニューをめくりながら悩むミレイ。気になる料理がいくつかあるけれど…
“ 初日は、やっぱり定番で ”
「あの、唐揚げ定食をお願いします」
厨房で働く同年代の女の子に注文した。
「はーい、…って、え?」
「唐揚げ定食を…」
「わぁ、女の子だわ!そうでしょう?」
「あ、…うん」
このやりとり、何度目だろうか。
おそらくこれからも暫く続くのだろう。
「あなたは新入生?」
「そうです」
「今年は女の入学生もいたのね!でも…ほら、食堂のメニューって全部男向けでしょう?なんだか申し訳ないわ」
「そんなことないよ。唐揚げ大好きよ」
「それなら良かった、…あ、いけないっ」
厨房の彼女は思い出したように急いで盛り付けを始めた。
ミレイの後ろには、配膳を待つ生徒がまだ沢山いるのだ。