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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第3章 その暴君、天才につき



「──…お前、ナメてるだろ」


茶色の短髪に──まだ大人とは言い難い、細身の体つき。

皿が割れたにも関わらず動揺を微塵も感じさせない声で、その男は厨房の女の子に冷たく言い放った。


「俺に喧嘩でも売ってるわけ?」

「け、んかだんて…っ、そんな」


ミレイの座る位置からは、茶髪の男と怯える女の子の横顔が見える。

震えているのは、先ほど唐揚げ定食を盛り付けてくれた彼女だ。


「何で俺が怒ってんのか理解できない…そういう顔だな」

「…っ…あの、ごめんなさい…!!」

「チッ」


舌打ちをした男は

前に乗り出して女の子の顎を掴み、自身と向き合うように引き寄せた。



「…いいか、よく聞け」


「ヒッ‥」


「お前の指が、皿のふちにかかってた。…な?馬鹿にしてるとしか思えないだろ」


「そんなっ…わたしは」


「黙れよ」


何か言いかけた彼女の言葉をさえぎり、男は顎を掴む手を乱暴に振り払った。




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