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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第3章 その暴君、天才につき
ミレイがそこに駆け寄る。
ちょうど自分のエプロンで床を拭こうとしていた彼女の手を止めた。
「…ッ あなた…さっきの…」
「そんなことしなくていいよ。お皿の破片もあるんだから気を付けて…」
隣に膝を付き、涙を流す彼女の肩を持って上体を起こさせた。
「…誰だ、お前」
頭上で男の声がする。
ミレイは鋭く睨み上げた。
周囲が嫌にざわめいているのを感じながら、立ち上がって男と相対した。
「誰だっていい。あなた、恥ずかしくないの?」
「……」
「女の子に向かってこんな理不尽な…!! お皿に指がかかっていたからって何なの?そんな理由で食べ物まで粗末にするなん て…──あッ」
「なんだ こりゃ」
本気で怒るミレイだったが
首をかしげた男は、まともに話を聞かずに彼女の帽子を取り去った。