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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第3章 その暴君、天才につき

帽子──

「返して」

「ハァ……高い声でわめくから焦った。女か」

男は帽子を持ったまま、上から下までミレイの身体を不躾に見遣る。


「その格好…職員には見えないな」

「わたしは生徒です。あなたと同じ」


あなたと同じと言ったのは、偉ぶる権利なんてあなたには無いのだと男に伝えるためだ。


「俺と同じねぇ」

しかし彼は余裕の態度を改めず
彼女の胸元で視線を止めた。


「バッジも持たない新入生か…。ああ そういやあ、弱そうなチビを講堂で見かけた。お前だったか」

「チビ…って」

「なんの力も無い女のくせに、俺に歯向かってんじゃねぇよ」

「…っ」


ボスっと帽子を被せて彼女は視界をふさがれる。

ミレイは思わずムキになって、帽子のつばを上げて男に顔を向けた。



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