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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

やれやれと困り顔のミレイは、視線を前に戻す。
“ こんな非常事態に寝られるなんて流石だな ”
何が起こっても動じないというのは、ガードマンたるうえで必要な能力だ。
それに、自分としても、彼が寝てくれたのは助かるかもしれない。
“ カルロさんと会話なんてできそうにないし… ”
無理に話題を探さなくていいだけラクだ。
───
それから十分ほどが経過する。
…が、とくに何も起こらない。
“ 三時間後に手錠が解除されると言っていたから、それまでの辛抱…よね ”
まだまだだなぁ、と
ベンチの横に立つミレイは、広場の様子をただ眺めていた。
図書館前のこの広場にはあまり生徒が集まらないようで
彼女が見るその光景はのどかだった。

