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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

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人気( ヒトケ )の皆無な図書館前の広場だったけれど、街エリアはそうもいかない。
前を横を通り過ぎてゆく生徒達──。
歩幅も小さく、スピードの遅いカルロ達は、周りにどんどん抜かされていた。
「こんなに人がいたら…誰が刺客かわからなくなりませんか?」
「……俺を、ナメるな」
手錠で繋がれた二人の手を身体の影で隠しながら、怪しまれないようにミレイは気を配る。
ザワザワ.....
それでも完全に隠すのは無理だ。
二人の背中には、手錠プレイをするカップルを見る好奇の視線が集まっていた。
「一分後なのか、一週間後なのか…いつ襲われるかわからないのが普段の仕事だ。だから依頼人には最大限の自由を提供する。……ダルいがな」
周りの視線なんてお構いなしのカルロは、恥ずかしがる素振りも見せない。
目的の店を見つけると、引き戸を開けて悠々と中に入っていった。

