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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第3章 その暴君、天才につき
“ 行ってくれた… ”
「…あれ?」
二人の背中を見送り、ミレイは自分が僅かに震えていることに気が付いた。
その事実が悔しくて、唇を噛み締める。
そうしている間に、厨房で働く数人がホウキとちり取りを手に集まってきた。
それまで野次馬に徹していた生徒達も片付けを手伝いだす。
カチャ、カチャ、カチャ‥
床に座っていた女の子は、そこでようやく立ち上がった。
「あの、ありがとう…っ」
ハルトという男に絡まれて怯えていた彼女は、今度はミレイのことを心配している様子だ。
「どうしよう…こんなことになるなんて」
「…あの人は誰?わたし、入学したばかりだから何も知らないの」
「ハルト様よ、東城 ハルト。誰も彼には逆らえないわ」
「東城…か、それで…」
東城──
それは、ここLGAの理事長と同じ名前である。