この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第3章 その暴君、天才につき
ここの理事長は、国内ボディーガード連盟でも幹部を務める大物だ。その息子だとするなら…お山の大将になるのも頷ける。
「親の七光りということね」
「あ…あのね、確かにハルト様は理事長の息子よ。でも逆らえないのはそれが理由じゃないわ」
「え、違うの?」
「だってLGA( ココ )は実力主義の世界だから。家柄とか財力とかは関係ないの。ハルト様は──…」
彼女は一度、言葉を呑み込んで
「──…ハルト様は、天才なの」
ゆっくりと言い直した。
「…天才…って」
ミレイは眉をひそめた。
彼は親の権力を振りかざすだけの弱い男ではない、それは確かだろう。
何故ならミレイは、彼の胸元を飾るバッジを見ていたからだ。
“ 間違いなくあのバッジは─銀色だった ”
銀バッジを持つ者が、この学園に何人いるのかは知らないけれど…。
「東城ハルト。あの人はいくつ?」
「17歳だって」
「──17歳!? どうして?」
ハルトの歳を聞いたミレイは、その答えに驚いた。