この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

「蕎麦を頼むお客さんなんてカルロさんしかいないからね。久々すぎて手間取っちまった」
「…普段はどんな料理をだしてるんです?」
「お客さんのリクエストに任せてるよ!」
「へ、へぇ~」
「ま、俺のレパートリーなんて少ないから、リクエストに応えられないのがほとんどだけどな!」
変わった亭主だ。
「……邪魔、五月蝿い、厨房へ戻れ」
ミレイと亭主のやり取りに耳を貸さず、カルロは上体を起こして箸を持った。
机に置かれたのは、熱々の掛け蕎麦だ。
天ぷらも無ければかき揚げも乗っていない、シンプルなお蕎麦。
「カルロさんは、お蕎麦が好きなんですか…?」
「……」
ミレイの問いかけは無視された。

