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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

彼に無視されるのは、正直もう慣れた。
そんなことにいちいち傷付いてもいられないほど、ミレイのお腹はぺこぺこだ。
“ わたしも食べよう!──……ッ ”
彼女は箸を取ろうとする。…が
困ったことに右手が動かせない。
“ そうだ、利き手が使えない…っ ”
右手首はしっかりとカルロの左手に固定されたままだ。
「カルロさん…、ちょっと、いいですか?」
「……」
「こっちの手を使いたいです。…っ…こっち」
ミレイは手錠の鎖をピンと張って、右手を使いたいとアピールする。
「…無理だ諦めろ」
「…む」
でもカルロは協力してくれない。
不親切な対応にムッとするミレイだが、原因を作ったのは自分なので何も言い返せなかった。
“ 仕方ない…、左手を使おう ”
利き手でない手で不器用に箸を取り、蕎麦を食べようとチャレンジする。
…何故、よりにもよって蕎麦なのだろう。
ツルツル滑って、食べにくいことこの上なし。

